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食育レポート vol.1

保育レポート

そらのまち保育園
ほしぐみ(1歳4カ月〜2歳1カ月)
食育活動レポート

1 活動のきっかけ
新年度始まって1か月。少しずつ新しい生活に慣れてきた園児たちへこのタイミングで食育活動をやってみたいと思ったのが始まり。

園児たちが給食の汁物を好んで食べていること,本園の特色でもある味噌づくりとの関わりを持たせたいとのねらいで,当初は「茶節つくり」を計画するが,研修で「園児の実態をよく観察した上で活動のねらいや内容を決めていくこと」の大切さを学び,「今の実態では,まだあまり見たことのない味噌や粉だしをいきなり使用するより,もっと子どもたちにとって身近な食材普段の朝おやつで出ていたり,絵本やおままごとでもよく親しんでいる果物を扱ってみてはどうか。」とアドバイスをいただき,5月29日(金)朝おやつに出るりんごを教材として活動してみようということになった。


2 園児の実態
全体的に「食」への関心が高く,日々のおやつや給食もとても楽しみにしている様子だが,なかには経験の少なさからか偏食が強かったり(aさん)自ら食事に手を出さない子(bさん)特に新しい食材や料理への抵抗が強く,周りの様子をよく伺いながら時間をかけて食べるまで至る子(cさん彼女は食べることだけでなく新しい環境・人・道具全体的に同じような傾向あり。)等 個に応じた対応が必要な園児もいる。
このような園児たちには,普段からよく親しみのあるりんごを扱うことで,安心して活動に入ることができるだけでなく,これをきっかけに食への興味を高める一助にもなりうる。

また,現時点で既に食の関心が高い園児(特に在園児の5名は,にじぐみの時から多くの食材に触れる経験を重ねているので食育活動が大好き)に対しては,目の前でりんごを切る様子を見る・皮や実に触れる・匂いを嗅ぐ・かじってみたりする等五感をフルに使う活動を展開していくことでより関心を高めることができると期待する。

 

3 本活動までの経過

園児たちの実態に寄り添いながら何度か計画をおこしたり(同僚と)話し合ったりしていく中で様々な気づきと助言をいただくことができた。

特に本活動にも大きく影響を与えられたアドバイスが
① 皮をカットしてから切るのではなく回し切りすること
(くるくる回る皮は見栄えもよく子どもたちの興味を引き付ける。その皮に自ら手を伸ばしたり口にしたりする子もいるかも)と,
② 全員でなくてもいいからぜひ「丸かじり」をさせてほしい
(この時期に食材を「かじりとる」行為は口腔機能の発達を促すうえでもとても大切。自分にとって適切な「一口大」を知る契機にもなる。)

この2点。特に,②については自身の子育て経験や資格習得した「離乳食・幼児食コーディネート講座」からも同様の学びを得ていたので,ぜひとも活動に取り入れたいと思った。

 

3 本活動の実際と振り返り・今後の展開 

導入では2冊の絵本を読んだ。

「りんご りんご りんご りんご りんご りんご」

「りんご」

言葉のリズム感が楽しい1冊目と,色々な種類のりんごを切って食べる様子がわかりやすく描かれた2冊目により,子どもたちは楽しみながらイメージを膨らませた様子だった。

保育者がエプロンをつけただけで在園児は「クッキング!」と喜び,本物のまな板と包丁を出しただけでトントン!と切る様子を手ぶりで見せたり「いたいよね。ばつだよね。」と包丁の扱いについて声を発する園児もいた。

食への興味が高い子はもちろん,低めの3人もいつもよりもりんごの食べ方が速かったように思う。目の前で切る,ただそれだけでも食べる意欲が増すことを感じた。

 

また,希望者のみ丸かじりの体験も設けてみたところ,予想通り在園児全員が出てきたが,予想通り1発でかじれる子はいなかった。思った以上の硬さにひるんでしまう園児もいた。そんな中成功第1号は新入園児のdさん。月齢・体格・発達ともに高く,かじり方も前歯でしっかりとらえていた。彼の様子を見て触発されたりやり方を真似た在園児も,何度かトライして成功した。

この成功体験は,後々の自信につながると思う。

(早速見られたのがeさん。体格の割に食事の一口がとても小さく完食まで時間がかかるのだが,この日は「がぶできたね。おっきなおくちだったね。」と言いながら給食をぱくぱく食べ進めることができた。引き続きできたことを認めながら見守っていきたい。)

絵本と同じ3種類のりんごを用意。色だけでなく、味や香りの違いも楽しんだ。

3種類のりんごを提示したことで「りんごは赤だけじゃない」ことも感じられたので,今後りんごの枠紙を利用したお絵かきやシール遊びでも赤以外の色が出てくるような声かけもしていきたい。また,「皮をむく」行為がとても楽しそうだったので,ほかの身近な食材(バナナ等)の皮も自分で剥いてみることで食への関心や指先の力,達成感を養っていきたい。

編集こぼれ話

ふるかわ りさ
毎日、保育園のあちこちの教室で繰り広げられている保育活動。

「保育って子守でしょ?」と誤解されがちですが、先生たちはこんなにも誠実に準備を重ね、ひとりひとりの成長に真摯に向き合ってくれています。

そんなことを伝えたくて、未来先生に「あの日の活動のメモ見せてくださ〜い」とお願いしてみました。

メモは全て原文のまま。園児の名前の部分だけアルファベットに置き換えてあります。