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環境学博士に聞く地球温暖化の話 Vol.2 〜後編〜

インタビュー
環境学博士に聞く地球温暖化の話 Vol.2 〜後編〜
インタビューする人 & される人
interviewee 大岩根 尚 環境学博士/第53次南極地域観測隊

そろそろ、、、、入りますか!
本題!

ふるかわ りさ

はい!

早速ですが。

何か、「一目瞭然」的な証拠ありますか?

ないっす!

ふるかわ りさ

がーーーーん。

無いんですか、、、、。

知り合いのドクターも言っていました。
どんなことも100%ということはないので、どうしても専門家の意見は(一般生活者にとって)分かりやすさや、インパクトに欠けてしまう。

逆を言うと単純なデータで「こうだ!」と断言しているものには気をつけたほうがいいと。

この「人為起源CO2温暖化説は「正しい」か?」という記事を読んでもらうのがいいですが、ちょっと難しいですかね?

ふるかわ りさ

、、、(読んでる)、、、、。

うーーーーん。
「理解した〜!!」とは ならないです。

ちょっと難しいですね。

では、頑張って僕なりに説明します。

ふるかわ りさ

お願いします!

この対談企画の「序章」の部分で、南極で石取ってきた話したじゃないですか。

覚えてます?

ふるかわ りさ

はい!

覚えてます。

僕らが行った場所って、南極の沿岸からだいたい100kmくらいのところで、

ふるかわ りさ

うんうん。

そこでいろんな高さの山に登って、 その山がいつから「日焼け」してたかってのの証拠を持ち帰るために石をとってきてたのですが。

ふるかわ りさ

はいはい。

それでわかるのって、「南極のその場所が」いつ氷から顔だしたか、ってことなわけで、

ふるかわ りさ

うんうん。

その場所の、それを調べるだけでは南極以外の地球全体に何が起こったか、は分からんワケです。

ふるかわ りさ

ほぅ。

だから僕たちには仲間が必要だ!

ふるかわ りさ

ほう!

山のところでテント貼ってるのが僕がいたチーム。

で、右のほうに人がいるでしょ?「アイスコア」って書いてあるところ。

それが仲間。

ふるかわ りさ

彼(水色)ですね?

そう!

南極の内陸の方って、厚いところでは5000mもの厚みの氷があるんですけど、その氷ってどこから来たか。

ふるかわ りさ

え。

どこから来たの?

もともとは雪なんです。

ふるかわ りさ

へー!

海が蒸発して、雲になって流れてきてここに降る。

寒いから絶対溶けない。

ふるかわ りさ

へーーーー!

雪って❄︎(結晶)じゃないですか。

ふるかわ りさ

はい。

降り積もるときって、ふわっ♡と積もる。

ふるかわ りさ

うんうん。

積もるとき、間に空気を閉じ込めながら積もる。

積もれば積もるほど、昔の空気が閉じ込められて、、、

ふるかわ りさ

ほぅ。

重なっていく。

ふるかわ りさ

えーーーー!

重くなるんだ!

「重(かさ)なって」ゆく!

関西弁ちゃうで。

※注:このインタビューは対面ではなくチャットで行なっています。

ふるかわ りさ

がーーーん。漢字www

「かさなって」いく。

、、、知性が、、、笑

溢れ出しすぎ!

ふるかわ りさ

笑。

で?で?

重なってるから、掘れば掘るほど昔の空気を取り出せる、ということで!

ふるかわ りさ

おーーーーーーー!

掘り出してきた円柱状の氷(アイスコアっていいます)がここ(国立極地研究所・アイスコア研究センター)に保管してあるんです(僕は2013年までこの研究所におりました)。

その長さ、なんと3000m

ふるかわ りさ

ロマン~!

3000mって何年分ですか?

約80万年です!

ふるかわ りさ

おおおおおおおおおおおおお!

掘り出してきたチームが題材になってるのが、、、、

映画「南極料理人」!

ふるかわ りさ

おーーーーー!

掘り出してきた氷を溶かして分析すると、何年前の空気の二酸化炭素が、どのくらいの濃度だったのか、ってのが分かる。

ふるかわ りさ

ねぇ、

ひさしさんも南極でこんなご馳走食べてたの?

いえ。

僕らのチームの南極料理人は、、、

僕でした、、、。

ふるかわ りさ

あ。

とはいえ、料理人の方が料理してくれたものをそのままフリーズドライにして(極食)いて、めちゃ美味なんですよ!これが。

ふるかわ りさ

へーーーー!すごい!

一個だけ!一個だけ質問いいですか?

大きく脱線しないように、深掘りしないから。

え?

どうぞ!

ふるかわ りさ

料理。つまり、口に「入れる」ものはフリーズドライのおいしいもの。

で、「出る」方は?

つまり、、、、う○ことか。

置いてくる?南極に。

ふるかわ りさ

あーーーーーーーー!

もうね、ドキドキした。

「極食」のリンク読んでたら、ポップアップで「大岩根尚さんが画像を送信しました」って表示されて。

恐る恐るチャット画面に戻ってきました。

笑w

いくら僕でもうんこの写真は送らない。

ふるかわ りさ

ちゃんと持ち帰るんですね!

永遠に残りますからね、、、

カッチカチになって。

ほっかほかが、カッチカチに。

ふるかわ りさ

何百年後とかに 変な発見のされ方したら歴史が曲がりますもんね。

まぁ、食べたものでバレますよね。

ふるかわ りさ

あら。そうなの?

 

ん?なんの話だったっけ。

うんこです。

ふるかわ りさ

あーーー。仲間の話だ。

ふるかわ りさ

空気!

そう!

自分たちが調べられるのは、南極のあのエリアの氷の厚い薄いの歴史。

ふるかわ りさ

うんうん。

仲間たちが、氷を掘り出して、昔の空気を分析する。

アイスコアチームと合わせても、これだと南極の陸上の話しか分からない。

ふるかわ りさ

地球は広いので、南極だけ調べても、、、。

ふるかわ りさ

確かに。

なので、周りの海も調べよう!

ふるかわ りさ

うみ!

ふるかわ りさ

おおおおおおお!

ふるかわ りさ

おおおおおおおおお!

海底から泥をとってくるんです。

ふるかわ りさ

え?

なんで?

プランクトンっているじゃないですか。

ふるかわ りさ

それも積もる?

そう!

あったかい海が好きなプランクトンと、

冷たい海が好きなプランクトンと、

ふるかわ りさ

、、、プランクトンが

、、、積もる、、、

(理解していない)

そう。

地球が暖かくなったり寒くなったりすると、

ふるかわ りさ

なんかよく分かんないけど面白い!(けど、ピンときてない)

じゃぁ、魚でもいいや。

鹿児島の海にシャケとかホッケいないでしょ?

ふるかわ りさ

はい(実はスキューバのライセンス持っています)。

(華麗にスルーします)

でも、もし鹿児島の海がめっちゃ寒くなったらシャケやホッケも獲れるようになるかもしれない。

ふるかわ りさ

たしかに。

逆に、温暖化したら、北のほうにも亀岡さん行けるようになるし、熱帯魚が東北沖とかにも行けるようになる。

ふるかわ りさ

ほぅ!!

そいつら、死んだら海底に沈みますよね。

ふるかわ りさ

おおおおお!

積もる。

ふるかわ りさ

積もる!

プランクトンが積もる!(イメージできた)

そう!

寒いのが好きなやつか、あったかいのが好きなやつか。

そいつらが順番に地層になって積もっていく。

ふるかわ りさ

すごい!

上から順に一枚ずつ見てゆくと、、、

 ーー
 暑い
 寒い
 暑い
 寒い
 ーー

みたいな変化が分かる。

ふるかわ りさ

うんうん!

これを世界中の海でやると、、、!

ふるかわ りさ

えーーーーーーー!

やるの?!

やってきた(国際深海科学掘削計画 IODP)んです!

1960年代くらいから、地道にやってきてるんです…すごいっしょ!

ふるかわ りさ

おおおおおおおおおお!

科学者!

めっちゃ根性ありますね!尊敬!

日本には「球深部探査船ちきゅう」というすごい船があって、

山﨑晋作さん提供

こないだ竹島沖にも来てたんですが、こんな感じの船が世界中を巡って掘って、そういう調査をやってきてるんです。

ちなみに右手前のが我らがフェリーみしま。

ふるかわ りさ

へぇえええ!

そうやって、何百万年、何千万年という世界中の海の歴史が少しずつ紐解かれてきていて。

ふるかわ りさ

うんうん。

あと、サンゴとかも。

ふるかわ りさ

サンゴの歴史が紐解かれてきてる?

それとも、サンゴを調査することで海の歴史が紐解かれてきてる?

そっち!

例えば、ここ。

お世話になってる喜界島のサンゴ礁科学研究所

ふるかわ りさ

へ〜!

最初の対談で、

この話 したじゃないですか。

ふるかわ りさ

はい。

寒いとき、氷が増えて海が低くなる。

ふるかわ りさ

うんうん。

サンゴ礁つくるサンゴって、水面にいますよね。

ふるかわ りさ

はい。(←と答えたものの、実はサンゴとサンゴ礁がそれぞれ別のものだと言うことを、インタビュー後に自分で検索して初めて知った)

あれ、光を必要とするからなんですが、寒くて海が低くなったときにも、もちろんその時の水面にいる。

で、あったかくなって氷がとけて、海が上がってくるにつれてサンゴももちろん上に成長するわけです。「光うめー」って。

ふるかわ りさ

ほぅ。

てなわけで、当時のサンゴがいるところが当時の水面の高さということだし、

サンゴも魚もプランクトンも、海水の成分をとりこんで自分の体をつくるので、彼らの体の成分を調べると、当時の海の成分が想像できる。

ふるかわ りさ

へーーーーーー!

いまでは水没して深い海にいる昔のサンゴたちからも、昔の海のことがわかるわけです。

ふるかわ りさ

すごい!

とまあ、氷だの、石だの、サンゴだの、プランクトンだの… あらゆる手段を使って昔の気候、環境がどうだったかってのを調べてきたんです。

とても僕たちだけじゃできない。

ふるかわ りさ

もう、、、本当にありがとうございます。

やあ、礼には…(もういい

ふるかわ りさ

木の年輪を一枚ずつ数えて、、なんてのもありますし。

本当に果てしない。

ふるかわ りさ

(遠い目)。

で、その結果何か分かったんですか?

てなわけで、気が狂うくらいの果てしない作業を世界中の研究者や学生たちが、ときに命がけでやってきて

ふるかわ りさ

うんうん。

みんなの力で、地球の気候の仕組みが、かなり分かってきた!

ふるかわ りさ

!!!!!(嬉)

それは、一言で言うと

「めっちゃ複雑」。

ふるかわ りさ

そうだよね。

気温が上がる、という一つの現象から、雨が増えたり、ある場所では減ったり、雲が増えて気温下がる方向になったり、植物が増えて二酸化炭素吸収したり、ある場所では氷がとけて湖ができて…とかみたいにとにかくいろんなことがあちこちで変化して。

ふるかわ りさ

無数の「風が吹けば桶屋が、、、」的な要素が複雑に絡み合ってるわけですね。

そうなんです。

てな感じなんだけど、その、お互いの間の相互作用がだいぶ理解できてきて、スーパーコンピューターでシミュレーションできるようになってきてるんです。

ふるかわ りさ

ほぅ。

一方で、150年以上前から、気温を計測して記録するようになってきてるから、この150年間くらいは気温の変化がどうだったかを知ってる。

ふるかわ りさ

ほーーーーー! 冒頭で教えてもらったリンクの「コンピュータで計算した」という部分に対する私の中での信頼度。やっと上がりました!!

それらの、あらゆる角度から科学者たちが集めた信頼できる莫大なデータが計算のもとになってるわけか。

はい。

なので、コンピューターによるシミュレーションで、この150の気温の変化を再現できるかってのを試して、実際のデータと照らし合わせて答え合わせすれば、自分たちの地球の気候変動の仕組みの理解度を試せるわけです。

ふるかわ りさ

おーーーー!

その理解度が、だいたいいい感じになってきてると。

一方で人間がこれまでどのくらい二酸化炭素を出したのか(the keeling curve)ってのもずーっと計測されてきてる。

どのくらい化石燃料を燃やしたかも、お金に変わってるわけだしもちろん記録に残ってる。

ふるかわ りさ

すごい!

ここまでの説明のあれこれをまとめると、

「世界中の研究者たちががんばって、数千万年、数億年という長い時間スケールでの気候変動の仕組みを調べてきた。おかげでその仕組みがけっこうわかってきて、いい精度でシミュレーションできるようになってきた。」

ということです。

その上で、「人間が出した二酸化炭素がなければ、いまの温暖化はまず説明できない」というのが、圧倒的主流の意見で、さっきの記事が言ってることです。

ふるかわ りさ

理解しました。

で、今の二酸化炭素の量がいかに異常かってことがわかるのが Keeling curve。これ、ハワイのマウナロア山頂で1957年からずーっと観測され続けてきているデータです。Keelingってのは観測を始めた研究者の名前。せっかくなので一緒に見てみましょうか。

ふるかわ りさ

ぜひ!

まず、直近1週間の推移。

ふるかわ りさ

ずっと一定じゃないんですね。

はい。次に1ヶ月。

12/12から12/22まで、欠測してますね。機械トラブルか何かかな?

ちなみに1964年にも3か月だけ欠測があって、それは研究費が途絶えてプロジェクトが一時的に頓挫してた期間らしいです。

ふるかわ りさ

へ〜!そうなんですね!

月で見ると、データはほぼ横ばいですね。

直近6ヶ月。

ふるかわ りさ

下がることもあるんだ。

一年。

ふるかわ りさ

平均すると横ばいな感じ?

二年。

ふるかわ りさ

あ、、、。

ちょっと右肩上がりな感じ、、、。

これまでの記録全部。

ふるかわ りさ

!!!!!!!!!!!

10,000年。

1958年以前の数値は、アイスコアのデータです。

ふるかわ りさ

!!!!!

ここ!!!!(汗)

80万年。

ふるかわ りさ

!!!!!!!!

、、、、、。

まぁ、自然な変動もあるわけなんですが。

これだけ長期的なデータでみた時、今の二酸化炭素の濃度って本当に自然って言える?マジで??て話です。

この動画、短いので見てください。

ふるかわ りさ

そっか。一年の中で大気中のCO2の量が一度減るのは、春夏で植物が頑張ってくれるからなんだ!

でも、その頑張りよりも人間の出すCO2の量の方が多いからどんどん右肩上がりになっている。

そうです。

産業革命と、第二次世界大戦。
石炭を使い始めた頃からどんどんカーブの角度が上がっていっている感じ。

ふるかわ りさ

ここまで深刻だとは思っていませんでした、、、、。

「待ったなし」の時期を、もうとっくに過ぎている感じですね、、、。

でも、なぜ大気中のCO2が増えるとよくないのか、また、CO2だけ見てたらいいのか。

そういうことも知りたいです。

ですね。

では次回は、その辺を詳しくやりましょうか。

ふるかわ りさ

はい!私ももっと勉強しておきます。

では!

ふるかわ りさ

はい!
ありがとうございました!

 

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ひさしさんとのインタビューシリーズ

環境学博士に聞く地球温暖化の話(序章)

環境学博士に聞く地球温暖化の話 Vol.1

環境学博士に聞く地球温暖化の話 Vol.2〜前編〜

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