

「みかんの色の変化や味の変化を言葉で表現する活動をしたいです。」
そらのまちほいくえんの職員会議で給食室の先生からこんな提案がありました。
みかんと言えば、暖かみのある橙色で、甘酸っぱさが特徴の果物。
誰もがほとんど同じイメージを浮かべるのではないでしょうか。
でも私たちがそうやってイメージするのはとてもオーソドックスなもの。
みかんにはたくさんの種類があり、酸味や香りが全然違うそうなんです。
そして今回観察するのは極早生(ごくわせ)みかん。
●極早生みかんとは?
【9~10月頃に出荷】
夏の名残がぬけきらない季節に出荷されるみかんで、果皮に青みが残っている。果肉がジューシーで酸味がやや強めなのが特徴。甘酸っぱいのが好きな人におすすめ。じょうのう膜(果実の周りの薄い膜)が比較的薄いのでやわらかく食べやすいのも魅力。(https://tenki.jp/suppl/yamamoto_komo/2016/10/11/14481.html)
そんな極早生みかんを、そらのまちほいくえんでは毎週火曜日に仕入れて給食に出すことにしました。どんなふうに色が変わるのか、味が変わるのか、そして小さいひとたちはその変化をどう表現するのでしょうか。
1週目:9月27日
はじめての極早生みかん。
こんなにも青いみかん食べられるの!?と驚きつつ、
皮が薄くて「食べやすいかも?」と好印象。
しかし大きく頬張ると
『すっぱい~!!!!!!!』
小さいひとたちは思わず顔をゆがめてしまうほどの酸っぱさでした!
2週目:10月1日
早速、見た目の色に変化が出てきました。
『みどりいろがうすくなった!』
と小さいひとたちも気づきました。一方、味の変化は
『前よりあまくなった』『前よりすっぱくなった』
と意見が分かれます。
たったの一週間では、あまり味の変化はないのでしょうか?
3週目:10月8日
だんだんとお馴染みの色になってきましたね。
『すこしオレンジいろになってた!』『みどりいろがすくなくなった』
など、小さいひとたちは先週からの変化を受け止めていました。
味については
『すっぱかったけどおいしい』
と、はじめて「おいしい」という言葉が出てきました。
でもまだ酸っぱいんですね。甘酸っぱいといった感じなのか。
4週目:10月15日
黄色が濃くなってきたような印象。
この変化には小さいひとたちも驚いていました。
そしてようやく
『あまかったよ!!』
という答えが返ってきました。
4週目にしてようやく!なんだか私が嬉しかったです(笑)
5週目:10月22日
この日は祝日で登園してきた子が少なかったのですが、
見てください!この変化!誰が見ても美味しそうなみかん!(笑)
『あまかった』『あまくなっていた』
という声が多い中、
『すばらしかった』
との感想がありました。その感想がすばらしい!!
最後の週に向けてどんどん色が明るく、甘みも強くなっていました。
もう酸っぱいという感想が出ませんね。
6週目:10月29日
いよいよ最後の週です!
もう完全にオレンジ色ですね。ほとんど緑色がありません。
「あまかった」という感想が出て、どのくらいあまかったのか聞くと
「チョコレートぐらいあまかった」とのこと。
チョコレートって結構甘いよ?と笑いながら、
でも他の食べ物と比べることも出来るんだなと感心していました。
【活動のまとめ】
約1か月かけて観察してみた極早生みかん。
敏感に味の変化や色の移り変わりを感じ取っていた小さいひとたち。
今回のゴールは「変化を感じる」でした。
大人のように様々な言葉を巧みに使って表現するのではなく、自分の知っている言葉で感じ取った変化を表現しようとしてほしいと思って始まりました。いつか小さいひとが大きくなったとき、味の変化だけでなく自分の気持ちや想いを自分の言葉で相手に伝えられるようになって欲しいという願いが込められています。
少しずつ黄色、オレンジ色へと移っていく色の変化。
はじめは顔をゆがませてしまうほどの酸っぱさから甘さを感じられるようになった味の変化。
みんな小さな変化を見逃さず、しっかりと自分たちの言葉で表現することが出来ました!
一番美味しい旬をいただくのも大切にしたいことですが、このようにだんだんと美味しさが深まっていく様子を自分の言葉で表現することも、同じくらい大切にしたいですね。
そらのまちほいくえんでは今後もこのように「変化を感じる」「表現する」ことを大切にした活動を続けていきます。温かく見守り、応援して頂けると嬉しいです(^^♪
編集こぼれ話

「すっぱい~!」を身体をよじらせている姿がとても可愛かったです♪