読みもの
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味を知ること。表現すること。

保育園の中の話

 

先週の給食の時間のこと

献立の中に、今年度初めて使用する食材・エビを使った料理が出ました。

「わーい!エビマヨだー!!」
大喜びの小さい人たち
(もちろん大きい私たちも、笑)

【▲そらのまちほいくえんの給食を紹介しているInstagram、そらのまち給食日記より

順番に配膳し、みんな揃ったら、いよいよ「いただきます!」
迷わず真っ先にエビマヨに箸を伸ばす子、まずはお汁を飲んで気持ちを落ち着ける子、なんとも可愛らしい、微笑ましい風景です。

「どんな味かな?」
「どんな作り方だと思う?」

せっかく初めて登場したエビマヨです。作り方にどんな答えが返ってくるかな、と聞いてみました。

「エビマヨって名前だから、マヨネーズ!」
「赤い色してるから、ケチャップ!」
「甘いからお砂糖も!」
「エビのまわりに柔らかいのついてるよ(衣のことを言いたかったのかな?)焼いてるかな。揚げてるかな。」
「この間酢豚作ったときとおんなじだね!」

…もう、久しぶりに3〜5歳さんクラスに入った私はびっくりしすぎて!

みんなの答えが、名前や見た目、味や食感を手がかりにしていること。そして、経験をもとに、自分の中から出た言葉であること。

分からないことも、インターネットで検索すれば、すぐに多くの情報を得ることができる時代。
でも、自分の五感や経験をフル稼働させたり、周りの人との対話を重ねたりしながら導き出した「自分なりの答え」は、想いも説得力も全然違いますよね。

普段から、すぐに答えを求めない。まず自分で考えてみたりやってみたりする。
そんな活動が積み重ねられているからだなあと感動しちゃいました。

様々な食材や味に触れ、
たくさんの「はじめて」に
出会うこと。
そして、いろんな味を試行錯誤しながら表現していくこと。
その中で得られた「美味しい」の記憶は、人生をとても豊かにしてくれると思うのです。
そらのまちほいくえんの食育活動は、そんな豊かさを大切にしているのかな…と、小さい人たちとの会話から感じることでした。

小さい人たちの五感と経験をフル稼働させてくれたエビマヨ。私に学びの機会を与えてくれたエビマヨ。給食の先生が持ってきてくれたおかわり分まで全部美味しくいただき、みんなのお皿はピカピカの空っぽ。
「もうお腹いっぱいだよー。」
「ああ、おいしかった!」
お昼寝の後にも話題に挙がるくらい、小さい人たちには特別な一品になったみたいです。

編集こぼれ話

東郷未来
「エビ、苦手なの。」
みんながエビマヨで盛り上がる中、こっそり私に話してくれたおともだち。
朝からちょっと気になっていたみたい。
でも、自分が食べられる分だけ配膳して、きちんと食べていました。困ったときは誰かに伝える。自分で決めたことをやり抜く…こんな経験も、大切ですよね♡