読みもの
読みもの

「食べる事は生きること」高橋給食室長のおはなし

保育園の中の話

「食べる事は生きること」

よく耳にする言葉ですが、
人は食べる為にいきています。
また生きる為にたべるのです。

ひと昔前までは、
今よりもっと必然的に、
食べる為に生きていました。

命をつなぐため、腹を満たすために
季節に合った作物を作り、
海や川に漁に出て、
山に狩りに行っていました。

火を起こし、時間をかけて
毎日の食事を準備していました。

生活の中のほとんどの仕事が
生きるために食べ、
食べるために生きることに費やされていました。

今では、自分で農作物を作らなくても、
自分で狩りに出かけなくても、

スーパーに行けばたくさんの食品が並び、
季節や地域に関係なく
様々なものが手に入ります。

便利な家電のおかげで、
調理も、保存も後片付けも
あっという間に済ますことができるようになりました。

便利になった今、
食べる事は 腹を満たすだけではなく、
美味しさや楽しみまで与えてくれるようになりました。

そしてさらに私たちは、
より便利で、
より簡単で、
より美味しそうで、
より手軽で、
より長持ちする食品を求めた結果、
今、私たちの周りにある食べ物は、
防腐剤や着色料などの添加物で溢れています。

味噌を作るには、
大豆と麦と塩と麹だけでいいのです。
防腐剤も旨み調味料も要りません。

今日仕込んだ味噌は、
100
年前も1000年前もそうだったように、
ゆっくりと時間をかけて、
おいしい味噌になっていきます。

体は、私たちが食べたものだけで作られています。

今、少しだけ立ち止まり、
もう一度、食べる意味を考え、
よりシンプルに。
生きるための食事を見直しませんか?