読みもの
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はじめての辞書引き。

おうみの窓

こんにちは。そらのまちほいくえんライターのてらだおうみです。
普段からそらのまちほいくえんの広報としてSNSの管理や、保育園の日々の中にあるほっとするような豊かな出来事を記事にしています。

 

最近、お子様と一緒に過ごす“おうちじかん”が増えたという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私は園児と過ごしていて、笑っちゃうくらい質問攻めをされます。ほんとに、“攻め”という言葉がよく合うくらい、目に見えるもの全てに「これなに?」「あれはなに?」と聞いてくる。一つひとつに答えてるだけでヘトヘト…なんてことも、子育て中のママさんにはあるあるかもしれませんね。

 

 

そらのまちほいくえんでは、年長さんの活動に“辞書引き学習”を取り入れています。

 

たとえば先日、3階のステージに五月人形を飾ったところ、お手伝いをしてくれた男の子からこんな質問がありました。

『あのあかいやつはなに?』

 

五月人形が昔の武士、将軍が着ていた甲冑であるという話を先生から聞いて、両脇にある松明(たいまつ)に興味を示したようです。

「これは“火”です。昔は電気がないから、真っ暗な夜は火をつけて明るくしていたんだよ。」

そう説明してくれた先生に、

『どうして電気がないの?』
『どうやって火をつけたの?』

と質問が止まらない年長さんたち。

でも先生はその場ですべてに答えることなく、自分の辞書を取りに行かせました。


(△辞書を引くのはこの日が初めて。まずは辞書の使い方を教わりました。)

 

さっそく、“ひ(火)”と“たいまつ(松明)”について調べ、昔は紙や木の枝を使った摩擦で火を起こしていたことを知った二人。

(△ずっと手を擦っていると手のひらが温かくなる。摩擦の感覚を自分の手で実感しました。)

 

「これは何?」と質問されたとき、どう答えたら小さいひとにも伝わるだろうかとぐるぐる考えてしまいます。恥ずかしながら、知らないことばを尋ねられることもあります(笑)

 

あえて辞書引き学習の時間を設けることなく、生活の中で始めるタイミングをうかがっていたという担任の先生。

 

教えることはとても簡単です。でも、“辞書”が何なのかもまだ分かっていない彼らに、知らない言葉と出会ったとき、意味を調べるために辞書を使うんだよということを知って欲しかったんです。日常生活の会話の中にも知らない言葉はたくさんあるので、その後も色々調べていますよ。

 

 

一口に「辞書」と言っても様々な様々な種類があり、一人ひとりの辞書に載ってる内容も違います。まずはそれぞれを見比べて、『同じことが書いてあるね、でもこっちは違うね。』という気づきだけでもいい。イラストも載っているので、言葉で説明するよりも辞書を引いたほうがわかりやすいこともあるんです。家にも辞書を持っている子は、園で調べた言葉を家の辞書でも調べ直して、内容を比べているんだそうで。家にあるのは大人用なのか、違うことが書いてあったと言っていました。

 

同じ言葉でも何度も調べる、比べてみる。自然と復習のリズムが出来ているようです。これには私もびっくり!とても驚きました。

子供向けの大きな辞書ではなく、小さなポケットサイズの辞書を持ってきている子がいると聞き、みんなで同じものを揃えたほうがいいのでは?と思った私。保護者の方からも同じことを聞かれたそうなのですが、この疑問への先生の答えが素敵でした。

 

彼はまだ字を読むことが得意ではなく、調べた意味を一人で理解することも難しいです。彼が自分で辞書を使いこなせるようになり、説明文を理解することに困ったとき、彼自身が望んだときにわかりやすいものを用意してもらえたら。彼もきっと助かると思います。

 

一人ひとりのペースを見極め、小さな疑問も聞き流すことなく答えを見つけるまで一緒に寄り添う。次々連なる質問までも楽しんでしまう。そんな先生の懐の深さと、新しいことを学んだ彼らの嬉しそうな笑顔が、なんだかとっても素敵な出来事でした。

 

お子様とご自宅で過ごす“おうちじかん”。

絵本を読みながら、テレビを見ながら、気になったことを一緒に辞書で引いてみる。そんな過ごし方はいかかがでしょうか?

 

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☆そらのまちほいくえんオススメ☆

・ベネッセ:小学国語辞典
・小学館:例解学習国語辞典
・三省堂:例解小学国語辞典

編集こぼれ話

てらだ おうみ
辞書引き学習で使われている「辞書引き用ふせん」は、『ひより食堂へようこそ 小学校へ上がるまでに身に付けたいお料理の基本』のクラウドファンディングでご支援いただいた方からの寄贈品です。こうして園児たちに学びの機会を与えてくださり、ありがとうございました!