
ひより保育園、そらのまちほいくえんには
開園当初から「ヘルプミーカード」というものがあります。
なんのことはない、A5サイズのコピー用紙にヘルプミーカードと
タイトルが書いてあるだけのものです。
それが、園のエントランスに置いてあり、誰でも自由に
「ヘルプミー」と言える。そんなカードです。
最近、持続可能な町とはどのようなものか。
生涯学び続けるとはどういうことか。
誰一人取り残さないとはどういうことか。
そんなことをぼんやり考えていますが、
それらの基盤となるものの一つが、このヘルプミーだと感じています。
上手に助けを求める力。
「正しくあることが正しい」という風潮が強い現代、
母は常に美しくにこやかに。
先生たるものいつも子どもの模範となるように。
子どもたちはいつもかわいく従順に。
もうxx歳なんだから、いいかげん△△。
学校教育が終わるまでの間、
子どもたちはレールからはみ出ず、
与えられた課題で満点を取ることを目指す。
大人は常に正しくあり続け、子どもを「正解」に導く。
子どもたちは、ある日突然”大人”になると
どう振る舞っていいかわからない。
大人は弱音を吐くことができない。
これは、ある夏の暑い日、ひより保育園の園児たちが
職員にくれたサプライズ「お給料」。
このお金で、子どもたちが準備したかき氷屋さんで
かき氷を買うことができました。
子どもが、大人をねぎらってもいいのです。
こちらは、その日忙しかった給食室からのヘルプミー。
「たまねぎの下処理をしてください」を受けて、手際よく働く園児。
そう。大切なのは、皆が正しくあることでも、
皆が自分一人で生きることでもなく
「ちょっと助けて(手伝って)!」と気軽に言える関係性を
いかに広く作っていくか。
強い(ように見える)者から、弱い(ように見える)者への
一方通行の矢印ではなく、双方向に矢印が伸びること。
それこそが、持続可能で、人々が自立やすい。
居心地のいい社会なのだと思います。
ヘルプミーカード。
みなさんの会社やお宅でもぜひ。