
畜産の仕事に就きたいという小学3年生の話を聞いた大人たちが、鶏を捌いてみるか?と命と向き合う機会を作ってくれました。
霧島市の四元さん。
大切に大切に育てた鶏たち。
捌く前に、どれほど可愛がってこの鶏を育てているか、私たちに話をしてくれました。
この日捌いたのは2羽。
鶏たちは全く抵抗することなく、私たちに命をくれました。
どうやったら鶏が苦しまないか。
今まで感じたことのない感情と向き合いながら、鶏から血が抜けていくのを待つ静かな時間。
羽が剥がれやすくなるよう、さっきまで走り回っていた鶏をお湯につけます。
子どもたちも、何か大きな責任と向き合っているような表情で、黙々と羽をむしります。
怖いでも、悲しい、でも申し訳ないでもない感情。
命を引き継ぐ覚悟のようなものが芽生えました。
羽をきれいにむしったあとは、バナーで軽く炙り、残っている毛を処理します。
手際よくさばきながら、それぞれの臓器や、その働きなどを教えてくれる四元さん。
鶏のおなかの中には、これから卵になる黄身(キンカン)もたくさん入っていました。
こちらは、明日生まれるはずだった卵。
まだ、殻が柔らかかったです。小学生が持ち帰って、翌朝目玉焼きにして食べました。
捌いた肉は、鳥刺しと、炭火焼きにして全員でいただきました。
スーパーで買う鶏肉とは違う、一生懸命に噛まないと噛みきれない、噛むごとにおいしさが溢れる鶏肉でした。
「絶対残したらいけないよ」小学生の言葉には重みが感じられました。
普段、切り身になったお肉を買うことしか経験していない私たちにとって、「いただきます」という言葉の意味を深く考えるきっかけになった1日。どうもありがとうございました。