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「みかれゆきかレストラン」開店です! (ひみつの計画⑤)

保育園の中の話

姿が見えないはずのこびとのわたしですが、今日ばかりはランチチケットを握りしめ、レストランへ直行しなくてはなりません。

無事、「みかれゆきかレストラン」が開店するのです!

プレレストランでは、自前のエプロン姿の子どもたちでしたが、今日はちょっと様子が違います。シェフコートに身を包み、頭には珠緒先生お手製のシェフ帽子。カッコいい~!

プレレストランでお客さんを1時間待たせたことが影響したのか、予定より早くから、材料を切り始めている子どももいます。

壁に貼った手書きのレシピも、以前より文字が大きくて見やすく、イラスト入り!

いよいよ本番なのだ、という静かな空気が感じられます。

そして、今日のランチは、プレレストランとは違うメニューではないですか?!

炊き込みご飯、きびなごの天ぷら、里芋のから揚げ、ほうれん草と園の畑で獲れた菜っ葉のお浸し、蕪の酢漬け、かきたま汁、フルーツポンチ。

そして、お客様は20人→30人に増加です。大丈夫なのか???珠緒先生、ハードル上げてきますね?!(笑)

食を保育の真ん中に置くひより保育園では、園の畑で収穫がある時期には、月に何度も調理の機会があって、1歳児さんから参加します。5歳児さんともなると、ちっちゃな手で、泥のついた野菜を選別して洗い、包丁はもちろん、揚げ物だって難なくこなすように。作って食べることは日常です。

とはいえ、レストランでは、レシピの意味がわからなくなっちゃったり、炊飯器が壊れちゃったりなんてハプニングが起きたり・・・。しかし、プレレストランと比べると、スピーディーに調理は進行。

その様子を見ながらハッとさせられたのは、大切なものを忘れない、先生と子どもたちの姿勢でした。

ひみつの計画の達成を目指してがんばっている5歳児さん、そしてそれを支える大人たち。でも先生が求めているのは、レストランの成功というより、過程での子どもたちの成長――。だから、その子の得意な分野を活用して立派な完成品(レストランの成功)を作ろうとはしない。それぞれの子どもを伸ばすことに心を砕いているのでしょう。プレレストランとは違うメニューで違う役割。プレレストランでお友達と協力した作業が多かった子どもは、今回はひとりで黙々と切る作業こなす役目を担うなどの工夫や目配り、声かけがされているのです。今回はレストランですが、きっと運動会やお遊戯会のようなものでも同じだろうなぁと思うのです。

一方、子どもシェフたちも2時間ほどで作り終えなきゃならないとはいえ、シャカリキではありません。バナナの皮をむいては、「マントができた~」と笑ってみたり、蒸した里芋に片栗粉をつけているうちに、片栗粉団子づくりが始まってみたり・・・と、子どもらしい遊びが見え隠れ。30人分もの食事を作るのは根気のいる仕事ですが、その中に楽しみを見つけています。

さ~て、いい匂いが漂い始めました。10分だけ遅れてレストランは無事開店!すでにお客様は外でお待ちです。

プレレストランでは、お客様を前に固まってしまった子どもたちでしたが、今回は、「みかれゆきかの順番に並ぼう!」と、声を掛け合い、鐘を鳴らして大きな声で「いらっしゃいませ~」のご挨拶。それを見るお客さんの方が、既に涙目です。

ご馳走を前に、リーダーの掛け声でみんなで手を合わせて「いただきます!」。

笑顔と涙で胸いっぱいのレストランとなりました。

みかれゆきかレストラン、大・成・功!おめでとう!!

 

さて、レストランは成功しましたが、これはひみつの計画のための「手段」でしたね。

さて、計画はどうなるのか? 続報をお楽しみに!

 

[ ひみつの計画 記事一覧 ]

・ひみつの計画 ① 〜 「ひみつの計画」進行中!! 〜

・ひみつの計画 ② 〜 本丸はここ?! 〜

・ひみつの計画 ③ 〜「話し合い」を可能にするもの 〜

・ひみつの計画 ④ 〜 Xデー!プレレストランは開店できるのか? 〜

・ひみつの計画 ⑤ 〜 「みかれゆきかレストラン」開店です! 〜

・ひみつの計画 ⑥ 〜 祝!目標達成。幼児が稼ぐってどういうこと?! 〜

・ひみつの計画 ⑦ 〜 ひみつの計画、最大の危機と嬉々!〜

・ひみつの計画 ⑧ 〜 サプライズは終わらない 〜

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私たちと一緒に、大人も子どももワクワクする
保育園を作りませんか?

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霧島市 ひより保育園
保育スタッフ募集要項(追加募集)
 
鹿児島市 そらのまちほいくえん
保育スタッフ募集要項(追加募集)

編集こぼれ話

前田真理
子どもたちは、いよいよ本番か、とドキドキしていると思いきや、プレレストランのときよりリラックスした雰囲気。わずかひと月ながら、考え、経験を積み、成長していることを実感させられました。
この日の大半のお客様は家族のみなさん。「今日はお母さんとお父さんが来るからもっと楽しい!」とこっそり教えてくれた子も。子どもたちの表情や動きには、親を喜ばせたいと願うウキウキ感にあふれていて、子どもを思う愛に勝るかもしれない親への愛にキュンとしちゃいました。
こんな子どもたちの日々の「成長」を見ることができる子育てや保育って、大変だけど、幸せな時間なのだなぁ、と改めて思うのでした。