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祝!目標達成。幼児が稼ぐってどういうこと?! (ひみつの計画⑥)

保育園の中の話

6人の5歳児さんが、卒園までにしたいことを話し合い、「3・4歳児さんも一緒に水族館へ遠足に行こう!」と決めたところから始まったひみつの計画。それにはお金が必要だよね→じゃぁ、自分たちで作ろう!という流れで進行してきました。

2回に渡った「みかれゆきかレストラン」は大成功!告知を見て知ったという一般のお客様も来られて、たくさんの「おいしい」と「うれしい」が弾けた一日でした。その前に行われたひよりフェスでも、子どもたちが手作りした染物やきんかんジュースは売れに売れ、なんと、総売り上げは、10万6,187円!

先生方は資金目標を、バス代・水族館代・材料費で10万円と見込み、もう一度レストランを開かなきゃ届かないであろうと考えていましたが、それを見事に裏切り、クリアしたのです!!

なんてスゴイ子どもたち、そして先生たちなのでしょう!何がスゴイって、子どもたちが決めた目標を子どもたちの力で実現でるようこぎつけたこと。

実は子どもたちは、まだ金額としての価値はよく理解できません。自分たちが稼ぎ出した10万円って何?それおいしいの?ってぐらいかも(笑)。ようやくわかる金額が100円なので、レストランチケット販売の日には、「支払いは100円玉で」とお願いしたのだとか。

そんな子どもたちにとって、稼ぐってどんな意味があるのでしょう?そしてそれをさせてしまうひより保育園はどんな考えでいるのか?! というわけで、白水純平園長を直撃!

「お金を稼ぐ ことは社会に出るあたって非常に重要な要素で、お金の役割や大事さはどこかのタイミングで感じてもらいたい とは思っています。ただ、お金の役割や大事さを知っていれば、稼ぐ こと自体は あくまでも手段のひとつだと考えています。紙のお金を使ってお店屋さんごっこをする中で、本格的なお店をやりたいという気持ちが出てくることがある。それなら、商品を本物にしてやってみよう。という具合に、周りの大人が、活動の内容や取り組み方に上限や制約を設けずに、まずは一緒にやってみようというスタンスでいることを大切にしています」と白水園長。これまでも、先生や他のクラスの子をお客さんとして、かき氷屋さんやお菓子屋さんをしたことも。

「そんな遊びや日々の生活の中で、子どもたちは物を買ったり遊んだりするためにお金が必要なことや、相手の欲しいものを渡して喜んでもらえれば、お礼としてお金を頂くことができることを知ります。そして、それは自分たちにもできることではないか?という感覚を持つようになったのでしょう」と。

ひみつの計画は、その資金を稼ぐことも含めて、全て子どもたちが決めて実行したことだったのです。その子どもたちの意思を全うするために、寄り添い導いた先生方はなんて素敵!こんなにもチャレンジングな計画だったのに、です。

白水園長は、「お金を稼ぐことは、子どもたちが 今後 自分でやりたいことを見つけ、そのために何かをゼロからはじめていくときに、自分の思考や行動の選択肢を ぐっと広げる、そんな経験になったのではないかと思います」とも。やりたいことをゼロから作り上げた子どもたち、ほんとにほんとにあっぱれ!楽しい遠足へ行ってらっしゃ~い!!

編集こぼれ話

前田真理
「上限や制約を設けずに、まずはやってみようというスタンスでいることを大切にしています」という園長の言葉に痺れました。これは大人にとっても忘れたくないこと^^。

一方、お金の役割や大事さを知った子どもたちには、家庭でも変化が見られたようですよ。
「お金を貯めるようになって・・・」「何でも買ってね、と100円渡してくれました(笑)何でもは買えないけど・・・」と嬉しそうなお母さんたちなのでした。